中小企業の中には、バランスシートを見ると「資産の部」の大部分が不動産となっている会社も多くあります。ただ、それだけ重要な資産である不動産をうまく活用し、利益に結びつけられている会社はどれくらいあるでしょうか? 企業の不動産活用について、弊社代表取締役である上田真一のインタビューと合わせて、企業不動産の活用事例を紹介いたします。
――企業が不動産をうまく活かせていないとはどういうことでしょうか?
「企業が所有している不動産の多くは本業に必要なものです。代表的なものとしては、事務所や店舗、工場に倉庫など。これらの不動産は直接的に利益を生み出しておらず、最大限活用できているか、つまりしっかりと収益に貢献できているかが分かりづらいケースが多いと感じています。その結果、スペースの過不足が起きていたり、立地の最適化ができていなかったり、建物の老朽化が進んでいたりといったことから、その不動産が持つ本来の力を引き出せていないケースが多く見受けられます。」
――これらの課題を解決するために何が必要なのでしょうか?
「まずは所有している不動産をしっかりと把握することが大切です。例えば、今どのような形でその不動産を利用しているのか、それは必要不可欠なものなのか、使い勝手はどうか、スペースを有効に使えているかなどです。そうすると必ずどこかでムリ、ムダ、ムラがでてくるはずです。それを解消できれば、その企業の収益性はより高まるはずです。」
――他にも所有不動産で気を付ける点はありますか?
「不動産は価格が常に変動しています。上場企業も保有不動産の時価評価をおこなっていますが、中小企業でもその重要性は変わりありません。ただ、不動産の価格には主に3種類あると考えます。相場の上限、相場の下限、そして不動産会社やファンドによる買取り価格です。会社の状況によって不動産売却時に優先することが変わりますので、できれば3種類全ての価格が把握できているといざという時に迅速な判断が可能です。」
〈Case01〉
この企業は車での来客が多く、社員たちも車で営業活動を行っていたため、駐車場費用だけで年間数百万円を支払っていた。そこで思い切って駅前ビルは売却し、幹線道路沿いに自社ビルを新たに取得した。数百万円の駐車場費用が節約でき、また十分な敷地内駐車場を確保できただけではなく、新たに取得したビルの減価償却による節税も見込んでいる。
〈Case02〉
4階部分を倉庫として暫定利用していたが余剰スペースになっていた。この企業は法人向けサービスを提供しており、1階の事務所は必要なく、2階から4階に引っ越した。そして、1階を店舗として賃貸し、年間数百万円の家賃収入を得ることができた。 |
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