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不動産に関するお役立ちコラムや、所沢の街づくりに関わる方々へのインタビュー、
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ほくとと

所沢で地域活動をしている方々の
インタビューをご紹介します。

  • ほくとと インタビュー

所沢東町地区市街地再開発組合 理事長|田畑大介さん

インタビュー 田畑大介

所沢駅周辺の再開発にあたり、ファルマン通り交差点付近では、建物が解体されるなど建設工事が着工しました。その再開発に関わる様々な問題を解決しながら、円滑な推進を図る団体「所沢東町地区市街地再開発組合」があります。その理事長を務める田畑大介さんに、再開発を通じてどのようなまちづくりを目指しているのか、その想いと展望について伺いました。

田畑 大介(たばた だいすけ)さん

1954年、所沢市東町のアイスクリーム問屋「有限会社 田畑食品」の長男として生まれる。所沢市立所沢小学校出身。中高一貫校の名門、立教池袋中学校・高等学校、立教大学社会学部へと進学し、卒業後は調査会社に就職。その後は家業を継ぎ、1985年から20年間「ファルマン商店街販促委員会」の委員長を務め、2005年からは所沢日栄会(日吉町、東町、御幸町にある商店)の協同組合理事長に就任。2011年には所沢駅西口から旧町市街地の銀座通りまでの商店街の活性を目的にしたイベントを主催する「とことこまちづくり実行委員会」を設立し、実行委員長に就任。精力的にイベントを開催し、まちの“にぎわい”を創出。その功績が認められ、昨年(2017年)所沢市では初めて、埼玉県の「元気な商店街応援事業」の表彰を受ける。2014年には所沢駅西口一帯の再開発に伴い「所沢東町地区市街地再開発組合」の理事長に就任し、2016年には「所沢駅周辺まちづくり連絡協議会」の委員に選出されるなど、長年に渡り所沢のまちづくりのリーダーとして活躍している。

  • 再開発後イメージ▲再開発後のファルマン通り交差点付近のイメージ図
30年前の再開発構想がようやく実現
「ファルマン通り交差点」改善へ

――ファルマン通り交差点付近の再開発工事が始まりましたが、どのように変わるのですか?

「東町500番地一帯の約0.6ヘクタールに商業施設と駐車場が入った、地上29階、地下2階のマンションが建つ予定です。それと同時に『見通しが悪い交差点』と言われていた『ファルマン通り交差点』の十字路が直線道路になり、安全な交差点に改善されると思います」

「また、その交差点から所沢駅方面にある『ザ・パークハウス所沢』までの間の敷地を20メートル後退させて道路側を広くしますので、歩きやすく開放感のある街並みに変わるんじゃないかと考えています」

――この再開発計画は、いつ頃持ち上がったのですか?

「最初の計画は、30年も前の話です。これにはいろんな事情が絡んでいるのですが、もともと所沢駅から日東地区(プロペ通り、ファルマン通りを含む日吉町と東町のエリア)までの7.2ヘクタールの地域で巨大開発が考えられていました。そこは消防車も入れないほどの狭い道があるので、区画整理をして安心安全なまちをつくろうとしていたんです」

「そんな矢先にバブルが崩壊してしまって、地主さんたちは土地を切り売りしなければならない状況に追い込まれて、地権者が変わってしまったんですね。そのため、30年前の市街地開発計画はなかなか進まず、現在に至っている状態なんです」

  • ファルマン交差点▲見通しの悪い交差点と言われる『ファルマン通り交差点』
課せられた地権者と地域住民の取りまとめ
認可が下りるまでの複雑な道のり

――日東地区全体の再開発計画のうち、東町の一区画が先行することになったのはどうしてですか?

「もうこの30年間、みんな建て替えたくても建て替えができない状況が続いていました。建物の老朽化も深刻で、『もう限界だ!』ということで、東町内が結束して、東町500番地の地権者と地域住民とで再開発に向けての話をまとめてきたんです」

――話がまとまったのはいつですか?

「計画が決定したのは、2014年(平成26年)7月です。その時に、この『所沢東町地区市街地再開発組合』ができて、私が理事長に就任しました。理事長を引き受けたのは、私は日栄会の理事長を務めていましたし、長年、ファルマン通りの商店街の活性化や中心市街地のまちづくりイベントにも関わってきましたから、私が理事長を務めた方が地域の人たちとの意思疎通が図りやすく、進めやすいだろうという事情がありました」

「そして、2015年(平成27年)10月に事業計画が認可され、ようやく今年(平成30年)2月になって権利変換計画(建物と土地の権利を、新しい建築物の床や敷地などに相応する権利に置き換える計画案)の認可が下りて、12月から着工となりました。今のところ、完成予定は約3年後の2021年11月となっています」

――許可が下りるまでの間、組合として一番大変だったことはどんなことですか?

「この辺りは、1つの物件に対して、土地の所有者、建物の所有者、建物の利用者という権利者が複数人存在する物件が多いんですね。なので、権利変換がより複雑でした。あと、建設期間中の商店の移転先を探して紹介するなどのサポートもおこなう必要がありましたので、建設の着工時期が見えてくるまでは、とても長い道のりでしたね」

  • 移転先案内看板▲建設期間中の商店の移転先案内看板
ファルマン通りを地域の活性化拠点へ
活動の原動力は、まちに“にぎわい”が生まれた時の幸福感

――再開発後のファルマン通りは、どんな構想がありますか?

「ファルマン通りがこの地域の活性化拠点になるような、そんな場所にしたいと構想を練っています。『元町コミュニティ広場』のような広場をこの東町再開発エリアにもつくる計画にしているので、開発後はいろんなイベントを開催して、地域と市民をつなぐ場所にしたいと考えているんです」

――具体的には、どんなイベントの場として考えていらっしゃいますか?

「広さ的には『元町コミュニティ広場』と同じくらいになる予定ですが、開催するイベントの内容は少し変わると思います。元町の方は旧市役所の跡地なので、公民館があり、ホールがあり、図書館がありと、公共機関が集まった広場になっていますよね。一方、東町の方は、もともとが商業地だった場所につくるので、マルシェのような商業的なイベントで人がにぎわう広場にできたらと考えているんですね」

「私が実行委員長をやっている『とことこまちづくり実行委員会』の四季のイベントのメイン会場として元町の広場を使っていますが、東町の広場では、もっと開催数を多くして、毎月、できれば毎週、マルシェや音楽イベントなどをやって、『ここに行けば何か楽しめる!』というイメージが地域の人にも定着できるような広場にしたいと考えてます」

「また、1階は商店が入りますので、その商店と連動する仕組みも考えたいですね。もちろん、ほかのエリアとも連携して、駅前からファルマン通り、銀座通りにまで、街歩きが楽しめるような“回遊性”を生むイベントも考えています」

  • 東町コミュニティ広場パース図▲開発予定となっているコミュニティ広場のパース図

――数多くのイベントを企画し、その指揮も執られる田畑さんの原動力は何でしょうか?

「結局、私はイベントが好きなんですよね。自分で考えた企画で、人が集まり、まちに“にぎわい”が生まれた時の幸福感が原動力になってきたように思います。失敗すると、みんなからクレームが集まりますけれど、それ以上にこの愛着ある所沢のまちに“にぎわい”が生まれるのが嬉しい」

「毎年、何か1つ新しい要素や改善点を盛り込んでイベントを企画していますが、来場者の方に飽きられないようにとか、所沢のまちをより楽しんでもらうには?とか、商店の人も喜んでもらうためには?とか、いろんな人の立場で企画を考えるのは楽しいですね」

地価高騰でチェーン店化したプロペ通り
個人商店を復活させた“所沢らしい”まちへ

――昔と今、所沢の街並みの変化は、どのように感じられてますか?

「所沢は江戸時代から商業で発達してきた町で、子どもの頃は旧町市街地(現在の銀座通り)が栄えていて、蔵が立ち並ぶ街並みでした。今では駅前の『プロペ通り』が“所沢一の繁華街”と言われていますが、近年は所沢の地価が上がって『プロペ通り』もテナント料が高騰したために個人商店が少なくなって、大手チェーン店が目立つようになりましたよね」

「“所沢らしい”まちづくりを目指すために、もうちょっと個人商店が元気になってほしいなと思います。プロペ通りの脇道の日東会館前の『うらトコ通り』やイオンの脇道の『学校新道』など、住宅地につながる道にも人通りが増えているので、私はそこに個人商店が立ち並ぶ、新たな商店街ができるようになるといいなと思ってます」

  • 学校新道▲住宅地につながるイオン脇道の『学校新道』
今の子どもたちが大人になった時を考えて欲しい
地域コミュニティがまちを活性化させ、このまちを好きにする

――今後のまちづくりで重要視していきたいことはどんなことですか?

「この所沢駅前周辺は、土地の権利関係も複雑なので、しっかりとしたまちづくりのビジョンを持っている“長”がいないとまったく進まないんです。これからは、所沢駅周辺の再開発もどんどん進んで街並みも変わっていくと思いますけど、やはり、まちづくりにおいて大切なのは“人”だと思うんです」

「建物や施設をつくるのは行政やディベロッパー。それに魂を入れていくのは、結局のところ地域住民だと思います。そして、まちを活性化させるには、人と人とを交流させるコミュニティの活性化がとても重要なんじゃないかなと。それには、地域イベントの開催が効果的だと考えています」

「イベントを開催すると、人と人とが交流しコミュニティができ、地域の絆も深まります。私自身もイベントを通じて人脈がどんどん広がり“まち”を活性化しようとする同志が年々増えてくるんですよ」

「コミュニティの活性化は、いずれ地域の商店の活性化にもつながり、この街が好きになる地元愛の育成にもつながると思います。今の子どもたちが大人になった時に、地元愛が根付いていないと、まちのリーダーがいなくなってしまいます。今後もそんなことを視野に入れていきながら、まちづくりに貢献していきたいと思っています」

  • 田畑大介

-インタビューを終えて-

所沢まちづくりのための数々の組織の長として、立場や考え方の異なる人や団体をまとめるのは苦労の多い事だと想像できますが、田畑さんは、終始楽しそうに“まちづくり”についてお話しくださいました。

田畑さんは、大学の卒業論文で『地域コミュニティとまちづくり』をテーマに選ぶほど、学生時代から“まちづくり”に興味を持たれていたそうです。

人通りが少なくなった商店街の復活を願い、『とことこまちづくり実行委員会』を立ち上げ、試行錯誤しながらも10年間指揮をとられた結果、今ではどのイベントも年々協力者が増え、商店街の人通りも増し、まちと住民の結びつきを深めるイベントとして確立させていらっしゃいます。すべては、田畑さんのお人柄と地元愛にあふれるビジョンが良い方向に導いているのだと感じました。

東町の再開発エリアは、工事が着工したばかりですが、これまでの田畑さんのご経験とお知恵と決断力が活かされた新たな生活環境の誕生が楽しみです。

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